彗星は、大日本帝国海軍が運用した艦上爆撃機です。開発は空技廠、生産は愛知航空機で行われました。
原型機である13試艦上爆撃機は、1940年11月15日に初飛行を行いました。その後艦上爆撃機として運用されたほか、空冷型への改修、斜銃を搭載した夜間迎撃も開発されています。
日本機で数少ない液冷エンジン搭載機で、流麗なラインが特徴的です。
現在唯一復元されている液冷型の彗星となっています。
それまで撮影禁止であった遊就館の大展示場が撮影可能になったとのことで、2017年5月にカメラを抱えて撮影に行ってきた時のものです。もしかすると閲覧時には再び撮影禁止となっている可能性がありますので、行かれる前に確認を。
まずは全体、引いて引いてやっと全体を納められます。ほぼ全周見て回れるのは良いのですが、配置の都合上全体を撮り辛いですね。右上に写ってるのは桜花の実寸大模型です。
2枚目は2階から撮影したもの。翼上面や機首上部、コクピット周りを眺めることができます。ここには貼っていませんが、先ほどの桜花も横から近くで見られます。
遊就館の入り口には零戦52型が展示されていますが、あまりサイズの差は感じませんね。彗星の小ささを認識します。
後ろからと胴体下部を撮影。
(1枚目)
液冷機らしいスマートな胴体形状。線も滑らか、凹凸も殆ど無く美しいですね。
尾翼にある線はスマートさを引き立たせるもの……などではなく、偏流測定用のものらしい。なるほど。
(2枚目)
胴体下部の爆弾倉と扉。冷却器の後ろにあり、機首から尾部までの滑らかなラインを形成する上で重要な部位となっています。大きな突出部が無いので綺麗ですね。
実機では投下アームなどが内部にある筈ですが、この機体ではどうなっているのでしょうね?
大きく口の開いた機首部。機首下部に冷却器を配置した形態の機体は何例かありますが、その中でもドイツより輸入したハイケル He118を強く連想させる仕上がりとなっています。DBエンジン搭載機の機首はどれもかっこいいですね。
お口の中を覗き込むと、2つの冷却器が確認出来ます。手前下部のハニカム構造は滑油冷却器で、奥の縦縞は水冷却器(の筈)。少し確認し辛いですが、見に行く際には是非とも確認しておきたいポイントです。
コクピット周りです。
(1枚目)
風防を貫いて装備されている『二式一号射爆照準器一型』。爆撃は勿論、機首に備えられた機銃の照準にも使用出来た……らしいです。正直照準器はよくわからない。
(2枚目)
銃身がちらりと覗いていた、後部銃座の『九二式7.7mm旋回機銃』。以前見た際には上を向いていたような気がしましたが、はて。
調べたところ、2016年に新しくなっているようですね?こちらの会社で復元されたようです。
艦上爆撃機「彗星」の帰還と92式7.7粍機銃-三和製作所ネットショップ
http://sanwaseisakuzyo.shop-pro.jp/?tid=1&mode=f1
(3枚目)
2階に上がると、一応コクピット内を見ることができます。カメラのズームを使用してやっとですが、計器類やその他内装が見られます。かなり良い状態に見えるので、是非とも見てみたいものですが……。
最後に彗星の心臓たるエンジン。
一一型に搭載された『アツタ二一型』。ご存知の通りDB601Aを国産化したもの。
彗星が抱えた様々なトラブルの発生源一つ、同時に性能に寄与した部分でもあると思います。
エンジンと機体が一緒に展示されていると、これがあそこに納まっているのだなと想像したり出来ていいですね。
=参考=
・世界の傑作機 No.69 海軍艦上爆撃機「彗星」を少し
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