カモフ Ka-26(露:Камов Ка-26)は、旧ソビエトのカモフ設計局が開発した双発小型ヘリコプターです。1965年8月15日に初飛行を行いました。
二重反転のローターに、テイルローターの無いテイルブーム、そして独特な胴体形状を持つのが特徴です。
当時のソ連機としては珍しく、東側だけでなく西側諸国でも導入・運用が行われた数少ない機体です。
輸送・旅客・救急・救難・農業と幅広い活躍を残しています。
30~40年代の固定翼機以外さっぱり分からないという人間にしては珍しく、戦後しばらくしての時期に開発されたヘリコプターに興味を持つなどしまして、ええ。と言っても何か調べたいした訳では無いのですが。
撮影地は『航空科学博物館』、成田空港の近くにある航空専門の博物館です。なかなか面白い物があったりして楽しいところですね。またいつか行きたいものです。
この時はカメラを持参しなかったので、いつにも増してなんだか変な写真が並びますが、ご容赦を。
さて、画像があまりないのでTOPと同じ写真ですが、これがカモフ Ka-26という機体だそうで。
なんでソ連のヘリが日本にあるのかというと、まぁ単純に過去に輸出していたというだけの事らしいのですが、なんか不思議な感じしますよね。
輸入を行った森川商事というところのHPを見ると、「1973年に、全ソ航空機輸出公団の日本総代理店として「Mi-8」1機と「Ka-26」4機を日本へ輸入した」という内容が書かれていますね。
森川商事株式会社
http://www.mskaisha.co.jp/business/aircraft.html
機体を正面から見て最初に気になったのが、機体の横に突き出たポッド状のもの。中にはM-14V26という空冷星型9気筒のレシプロエンジンが収まっているようですね。型は違いますが、戦後のヤコヴレフの多用途機なども、この系列のものを使用しているようです。
"気になった"という点は、このポッド自体の事ではなく、その前面にある放射状に並んだ板の集合体です。内側と外側に軸が付いて居るので、恐らく動くのでしょう。
恐らくはソ連のレシプロ機でお馴染みの過冷却防止用のシャッター機構だと思いますが、もしそうであれば30~40年代に使われたカウルシャッターの子孫と言えるのでしょうか?何か感慨深いものを感じます。自分でも良くわかりませんが。
後ろを見るとまた不思議。この機体は双ブームの尾部を持つ機体なんですね。
そして脚の付き方も何か変なところがありますね。わざわざ胴体上部から地面に向けて伸ばしています。普通の機体ならば胴体の下にでも付ければ良いものですが、あまり見ないスタイルです。
後で調べて分かったのですが、なんとこの機体、後ろの客室部分にあたるところが丸ごと取り外せるとのことらしいのですよね。
取り外した状態がこちら。後部が丸ごと無くなっています。
Ka-26は農業用及び輸送用として使えるよう、複数名が搭乗できるキャビンや各種農業に用いる装置(散布機械?)を取り外し出来るようにしたようです。検索すると何種類か見つかりますね。
それにしても、モジュールを付け替えて様々な用途に対応できるとは。まるでロボットアニメのような話と思ってしまいます。事実は空想よりも奇なり。
最後に機内写真を1枚。
あまり詳しくないのでもしかしたら違うのかもしれませんが、この計器板の色はいわゆる戦後ソ連機の機内色というやつなのでしょうか。この塗装がオリジナルそのままかは不明ですが、そうであればちょっと嬉しいですね。
思ったより面白い機体で、ここで見た機体では一番気に入ったので、もう少し多く撮影しておけばよかったと少し後悔しています。そのうちまた見に行きましょう。今度はカメラを携えて。
以上、航空科学博物館のカモフ Ka-26でした。
=参考=
・とくにはない
コメントをお書きください