S.E.5はロイヤル・エアクラフト・ファクトリー (RAF) が開発した戦闘機。1916年11月22日に初飛行、1917年3月より配備が開始された。
同国のキャメルと比べると機動性に劣るものの、頑丈な機体構造を有しており、また速度と安定性にも優れていたという。
S.E.5aはエンジンを換装した改良型で、欠点であったアンダーパワーが解決された。最終的に5,205機が生産された。
2年に一度、イースターの時期に「Warbirds over Wanaka」エアーショーが行われる場所にある展示施設に居た機体の1つです。「Warbirds and Wheels」という名の通り、古い車なども展示されていました。
この機体を見たとき「やたら綺麗だなぁ」とは思いましたが、調べたところこの展示機はレプリカだとか。見ての通り結構精巧に作られているようです。また施設HPの解説文によれば、プロペラや一部装備は実物とのこと。
展示の仕方の関係で、ほぼ後ろか横からかしか見えません。まずは後ろから。
2枚の翼を繋ぎ支える支柱、そして各部の張り線たち。30年代には構造の強化などにより数が減り、30年代末には支柱や張り線の無い複葉機が試作されたこともありましたが、当時はこんなしっかりと張られていたのですね。細い線は当時撮られた写真などでは背景等に溶け込みがちなので、貴重ですね。
横からほぼ同じ角度で。
WW1の機体は数機名前を知っている程度で、正直なところさっぱりなのですが、結構しっかりした造りに見えますね。後部の絞り具合もなかなかいい具合でカッコいいです。
機首から伸びている黒い円筒形のものは排気管?パイロットに排気を当てない為でしょうか?コクピット脇まで伸びているので目立ちますね。
S.E.5といえばこれですよね。翼上からパイロットの前まで「へにょっ」と伸びているレイルです。
この機体は、プロペラ同調しているヴィッカース機銃のほかにも、ルイス機銃を1挺翼上に備えていました。そしてこのルイス機銃を装備するために用いられていたのが「フォスター銃架」です。
非同調式の機銃を装備するには、プロペラ圏外に機銃を置く必要がある訳ですが、それと同時になるべくパイロットに近く、また弾倉交換が出来るようにする事も必要でした。
その解決として、機銃を手前に引き寄せることが可能なフォスター銃架―可動式レイル銃架が開発された、という事らしいです。
元々は手元に引き寄せる為のレイルでしたが、引き寄せる途中で銃を斜め上方に向ける形になるので、その状態で斜銃のように射撃することも可能であったとか。この斜め射撃を好んだエースもおり、後に各国で用いられた「斜銃」という概念の走りとも言えるでしょう。
このページで一番大事なのはこのフォスター銃架なので、これだけでも覚えて帰りましょうね。
というわけでRAF S.E.5aでした。
追記:
~よく知らない機体なので突っ込み等お待ちしております~
=参考=
・Warbirds and Wheels(展示施設HP)
http://www.warbirdsandwheels.com/
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